皆さんの職場には、
「真面目にやっている人ほど仕事が増え、頑張った人ほど損をする」
そんな現象はありませんか?
私は前職で、指示が曖昧、人によって仕事への向き合い方が大きく違う、納期だけは絶対という製造現場で働いていました。
当時は毎日が綱渡りでしたが、その環境で生き残るために身につけた経験は、今振り返ると大きな財産になっています。
今回は、そんな職場で私がどのように仕事を進め、何を学んだのかを書いてみたいと思います。
前工程の問題がすべて現場に集まる職場だった
私がいた職場では、営業、設計、資材、現場が連携して設備を製作していました。
本来であれば、
- 営業が正確に受注する
- 設計が正しい図面を作成する
- 資材が必要な部品を準備する
- 現場が組み立てる
という流れになるはずです。
しかし実際には、
- 指示書の内容が分かりにくい
- 数量が間違っている
- 設計変更が後から発生する
- 資材不足が判明する
といったことが日常的に起きていました。
そして納期は変わらない。
結果として、前工程で発生した問題の多くが現場に集まり、最終的には現場が吸収するしかない状況になっていました。
相談しても答えは返ってこない
困ったことがあっても、
- 「自分で考えろ」
- 「俺に聞くな」
- 「直接担当者に聞け」
と言われることが少なくありませんでした。
もちろん、自分で考えることは大切です。
しかし、必要な情報や判断材料が不足している状態で丸投げされると、現場は非常に苦しくなります。
そのため私は次第に、
「誰かが教えてくれることを期待しない」
という考え方になりました。
生存戦略① 完璧な指示を待たない
最初の頃は、
- 指示が来るまで待つ
- 分からなければ聞く
という普通のやり方をしていました。
しかし、その方法では仕事が進みませんでした。
そこで、
- 完成図書を事前に確認する
- スケジュールを毎日確認する
- 不明点は自分から関係部署へ確認する
という行動を取るようになりました。
受け身でいるより、自分から情報を集めたほうが結果的に早く、確実だったからです。
生存戦略② 作業を徹底的に仕組み化する
現場では指示書の記載方法が人によって異なり、
- 記載場所が違う
- 表現が違う
- 記載漏れがある
ということがありました。
そこで私は、作業に必要な情報を独自のExcelデータに集約しました。
質問されるたびに内容を改善し、
- 必要な情報を一枚にまとめる
- 作業手順を標準化する
- 過去の実績を蓄積する
ことを続けました。
結果として、
- 作り忘れの減少
- 手直しの減少
- 追加発注の減少
- 作業時間の短縮
につながりました。
今振り返ると、これは単なる効率化ではなく、
「仕組みでミスを防ぐ活動」
だったと思います。
生存戦略③ 他部署との直接連携
上司を経由していると情報が遅れることがありました。
そこで、
- 設計担当へ直接確認する
- 資材担当と情報交換する
- 入荷状況を先に把握する
など、関係者とのコミュニケーションを増やしました。
その結果、
- 作業準備を前倒しできる
- 手戻りを減らせる
- 現場の負荷を軽減できる
ようになりました。
仕事は自分一人では完結しません。
だからこそ、情報の流れを作ることが重要だと学びました。
生存戦略④ 他人との境界線を引く
改善を続けた結果、今度は別の問題が発生しました。
仕事が早く終わるほど、
- 難しい案件が回ってくる
- 業務量が増える
- 他人の仕事まで抱え込む
ようになったのです。
最初は何とか対応していました。
しかし、このままでは際限なく負荷が増えると感じました。
そこで、
- 自分の担当範囲を明確にする
- 他人の責任まで背負わない
- 自分の業務が終わったら帰る
というルールを作りました。
これは冷たい対応ではなく、
長く働き続けるための自己防衛でした。
過酷な環境で鍛えられた能力
当時は毎日が大変でした。
しかし、その経験を通じて私は次のような力を身につけました。
- 指示がなくても動ける自走力
- 情報収集力
- 業務改善力
- リスク管理能力
- タスク管理能力
- 他部署との調整能力
これらは転職後も役立っている能力です。
ただし、この生存戦略には副作用もあった
前職では、
- 人を信用すると痛い目を見る
- 指示をそのまま信じると失敗する
- 頑張ると仕事が増える
という経験を何度もしました。
その結果、
- 先回りし過ぎる
- 他人に任せられない
- 人を信用しにくくなる
- 防御的になる
という癖も身につきました。
当時は必要な生存技術でしたが、環境が変わった後も同じ戦い方を続けると、自分自身を疲れさせてしまいます。
まとめ
前職は決して恵まれた環境ではありませんでした。
しかし、その経験があったからこそ、
- 仕組みで問題を解決する力
- 情報を取りに行く力
- 自分を守るための境界線を引く力
を身につけることができました。
理不尽な環境は決して理想ではありません。
それでも、その環境で試行錯誤した経験は無駄にはなりません。
大切なのは、
環境に振り回され続けることではなく、その経験から何を学び、次の環境でどう活かすか。
今振り返ると、前職での経験は「辛い思い出」であると同時に、現在の自分を形作った大きな学びでもあったと感じています。

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