「好きだから続ける」は正しい?数字と感情を分けて考えたら、手放す決断ができた話

「長年続けているから。」

「せっかくここまで頑張ってきたから。」

そんな理由だけで、何年も続けている趣味や活動はありませんか?

実は私にも、長年大切に続けてきた趣味がありました。

最初は本当に楽しかったのです。

新しい出会いへの期待もありましたし、「もっと上達したい」という純粋な気持ちもありました。

でも、ある日ふと、心の中でこんな疑問が湧いてきました。

「今の自分にとって、この活動は本当に必要なのだろうか?」

そこで私は、「好き」という感情だけではなく、一度「数字(コスト)」に落とし込んで冷静に考えてみることにしました。

1. 「好き」という感情が、正しい判断を鈍らせる

趣味は人生を豊かにしてくれるものです。だからこそ、辞めるかどうかの選択を迫られたとき、どうしても次のような感情が邪魔をします。

  • 楽しかった過去の思い出
  • 一緒に切磋琢磨してきた仲間の存在
  • 今までその活動に費やしてきた時間やエネルギー

こうした感情的な価値があるからこそ、「辞める」という選択肢を無意識に排除してしまいがちです。

しかし、私たちの人生には「時間」「お金」「体力」という限られた資源しかありません。これらを何に投資するかによって、自分の将来は大きく左右されます。

だからこそ、一度「感情」と「数字」を完全に切り離して整理してみる必要がありました。

2. 数字で見えた「本当のコスト」と消えた時間

最初は「月々の会費くらいしか掛かっていないだろう」と軽く考えていました。しかし、実際に1年間にかかる項目をすべて書き出してみると、全く違う現実が見えてきました。

年間で発生していた「お金」のコスト

  • 毎月の会費
  • 往復の交通費
  • 練習や試合中の飲み物代
  • 大会への参加費
  • 道具代(消耗品やメンテナンス費用)
  • 身体のケア費用(マッサージや湿布など)

これらを合計すると、決して無視できない金額を毎年支払っていることに気づきました。しかし、それ以上に衝撃的だったのは「時間のコスト」です。

本当に失っていたのは「時間」だった

人はお金の出費には敏感ですが、時間の消費には驚くほど鈍感になります。

「今日は2時間だけ練習に行こう」と思っていても、実際には以下のような時間の流れが存在しています。

【事前準備】 ➡ 【移動(往復)】 ➡ 【実際の活動(2時間)】 ➡ 【帰宅】 ➡ 【疲労回復】

活動が終わって帰宅した後は、ぐったりと疲れてしまい、もう何もする気が起きない……。

つまり、私は「2時間」ではなく、実質的に「丸一日」をその趣味のために消費していたのです。

年間で換算すると、何百時間もの時間を費やしていました。もしその時間を、「未来のための勉強」「副業」「十分な睡眠」「家計の改善」に充てたらどうなるでしょうか。私にとってこの時間は、目に見えない最大のコストになっていたのです。

3. 人生の優先順位(KPI)でメリット・デメリットを比較

感情の整理をさらに深めるため、活動を「続ける場合」と「一度手放す場合」で、自分の生活がどう変わるのかを項目ごとに比較・評価してみました。

評価項目活動を「続ける」場合活動を「手放す(距離を置く)」場合
睡眠・健康疲労が翌日まで残り、慢性的な寝不足に体力が温存され、質の高い睡眠と健康が手に入る
時間効率移動や準備に多くの時間を奪われる浮いた時間を勉強や副業など、別の活動に使える
ストレス「行かなきゃ」という義務感と疲れでイライラ心とスケジュールにゆとりが生まれ、穏やかになる
人間関係既存の限られたコミュニティを維持できる自分の今の価値観に合う人と、新しい場所で出会える
技術の向上スキルを維持・向上できる(★唯一のプラス)多少の技術は衰える(ただし、いつでも再開は可能)

こうして客観的に比較してみると、一度距離を置いた方が、人生の大部分の項目が圧倒的に改善することが一目瞭然でした。

確かに、技術の面ではマイナスになるかもしれません。しかし、「人生全体」という広い視野で見れば、手放すことで失うものよりも、得られるメリットの方が遥かに多い。そう確信し、決断することができました。

4. 本当に怖かったのは「辞めること」ではない

手放す決断をするプロセスにおいて、私が一番恐怖を感じていたのは、活動を辞めることそのものではありませんでした。

「これを辞めたら、今まで築いてきた人との繋がりがすべてなくなってしまうのではないか」という不安です。

しかし、こちらも冷静に考えてみました。

もし、その活動を辞めた瞬間に完全に縁が切れてしまう関係なのであれば、それは「その活動を媒介とした繋がり」であって、私の人生全体を深く支え合っていく人間関係とは少し性質が違うのかもしれません。

本来、楽しむための活動であるはずなのに、終わる頃には疲れ果てて心に余裕がなくなっている……そんな本末転倒な日々からも抜け出したいと感じていました。これからは、今の自分の価値観に合う人と、また別の新しい場所で人間関係を築いていけばいい。そう思えたことで、すっと心が軽くなりました。

5. 終わりに:「継続すること」だけが正解とは限らない

世の中では「継続は力なり」という言葉がよく使われ、美徳とされています。もちろん、それは一つの真実であり、素晴らしいことです。

しかし、「目的を見失った継続」はどうでしょうか。

続けること自体が目的になってしまうと、本当に大切なものをいつの間にか失ってしまうことがあります。

  • 大切な人や自分のための時間
  • 心身を休める睡眠と健康
  • 未来を切り開くための収入や勉強の時間
  • 新しい将来の可能性

これらは、一度失うと簡単には取り戻せない貴重な資源です。

私は決して「今すぐ趣味を辞めるべきだ」と言いたいわけではありません。

本当にお伝えしたいのは、時々立ち止まって、「数字」と「感情」を分けて考えてみることの大切さです。

  • この活動は、今の自分の人生の目的に合っているか?
  • かけている時間やお金に見合う価値を、今も得られているか?
  • 続けている理由は「今の自分」のためか、それとも「昔の思い出」のためか?

「好きだから続ける」というのも、一つの素晴らしい選択です。

しかし、「今の自分にとって、本当に必要だから続ける」という視点を持つことで、時間もお金も、そして人生そのものも、より納得のいく使い方ができるようになるのではないでしょうか

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